美濃焼をめぐる、うつわの旅 その2
最初は、「幸兵衛窯」
二百年の歴史を誇る徳川幕府御用達の指定を受ける格式高い窯元。
人間国宝の加藤卓男氏のお孫さんである8代目にあたる亮太郎氏にレクチャーを受けました。
加藤亮太郎さんの陶芸展は10月20日〜26日まで松坂屋名古屋店で開催されます。
亮太郎さんの作品は、若いのに非常に高い美意識を感じる作品で、なんでもないのですが、普遍性のようなものがあり、時代性もあるからでしょうか、私はとても好きでした。
福井から築250年の民家を移築したという建物は、とても見応えのある吹き抜けの大空間が広がっています。
建築好きにも十分楽しめます。
お庭にはあな窯があります。
いわゆる、京都でいう河井寛次郎記念館のようなものと思って頂ければと思います。
お店も付属していて商品も購入できます。
良い土が取れるから焼き物が始まったそうですが、土を取るから山が無いそうですね。
最近は、日本には無いから、大きな商社はアフリカなどで山ごと買い占めてしまうようです。
土の値段はピンキリですが、トンあたり一万くらいからあるんです。
メジャーな土でも数万程度。
ちょっと安すぎますよね。
所変わって、セラミックパーク美濃。
水盤で魚を釣っている人が。。。
京都で町家を建てる時に、格子のサイズを参考にするために磯崎新氏設計のここの茶室を見に来ました。
それ以来、約8年ぶり。
その茶室を借り切って、先生のレクチャーを受けました。
昼食は松正さん。五平餅!
人間国宝の窯元で作っている箸置きをもらえました。
その後、館長さんの解説でハンス・コパー展。
ルーシー・リー展を見てハンス・コパーの名前がよく出ていました。
ルーシー・リーは人の作品を褒めることはほぼ無かったそうですが、18歳下のハンスの作品だけはリスペクトしたそうで、協同という形で製作を続けることになります。
空間を支配する。造形にはそんな力があります。
ライフセラミックのパンフを置かしてもらいました。
あちこちで宣伝してきました!
こちらにも。あちらにも置きまくり。
ポスターも送らないとね。
オリベストリートに戻って、解散式。
後藤さんがあんなにみんなに愛されているとは知りませんでした(笑)
今回、信楽で焼き物三昧な私に、こんな美濃焼ツアーの話が来て、
やっぱりそういう事かと思って、急遽予定変更で飛び入り参加しました。
すっごい面白い人ばかりの集まりで面白かったです。
美濃焼は大量生産が特徴なので、今回、割と景気のいい所ばかりを回ったそうですが、やっぱり厳しい状況のようです。
しかし、市設の多治見市陶磁器意匠研究所のレベルは大変に高く、地元の作家を育てるはずが、最近は、全国からレベルの高い作家が集まりしのぎを削るような状態になり、そんな地方から来た卒業生が多治見の地に住み着いて活動を続けていくそうです。
オリベデザインセンターも早くから、デザインの力で地域の産業をフォローする試みが続いていますし、製品はハイレベルなものが多いです。
産地の問屋が機能していない状況は同じで、産地には産地の複雑なしがらみがどこにでもあるようですが。儲かった時代を知らない若い世代へ世代交代が続いており、そういった新しい世代で新しい何かを初めていくしかないのかなぁと思います。
信楽はまだこちらに比べて小さいし、新しいことがやりやすいかもしれません、街もコンパクトで町中を歩いても楽しめる魅力があります。若い人中心の新しい動きもありますし。
大変な状況には変わりありませんが、時代時代にあった変貌を遂げていかないといけないと思います。
伝統は常に革新。 ということで。
オリベストリートで飲んだコーヒー。
焼き物の街はどこも器がタダモノではない。
滋賀に帰ったばかりなのに、また今から瀬戸へ。。。