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湯たんぽ その3_a0148612_004953.jpg


東京ビッグサイトのinteriorlifestyleに行ってきました。

山田佳一郎氏デザインのブースでの展示です。

湯たんぽ その3_a0148612_01306.jpg


初めて見る最終サンプル。

キレイに焼き上がっていました。

評判も上々のようで、熱いお湯が入ったサンプルも用意し、カバーの上から来場者に触れて確かめていただいておりました。

デザイナーの友人たちも会場内でいろいろ頑張っておりました。

友人たちに最も興味を持たれるのは湯たんぽの金属のキャップでした。

私もそこがポイントだと思っています。

本当は陶器でキャップを作るのが安価で良いのですが、開け閉めする際に黒板をひっかくような音がしますので、金属にしました。

アルミの削りだしですので、非常に高価なのですが、

このキャップが、存在感を特別なものにしていると思います。

予定売価は8500円で、湯たんぽとしては高価な部類ですが、高いという声はそんなに聞こえないみたいでした。

どちらかというと、年配の方に興味を持たれるみたいです。

若い人にはなじみがないですからね。

今秋に発売予定です。

冬が待ち遠しいですね。

夏は、一輪挿しに使えます(笑)




追記

その後、販売予定価格から少し値上がりし、販売価格は10,000円(税別)となりました。

湯たんぽのご購入はこちら
# by planettv | 2012-06-08 00:14 | product
それはさておき、これは、「陶器の湯たんぽ」なのです。

(正確には磁器です。磁器は石の粉。陶器は粘土から出来ているものを言います。)

よくあるのはこれです。

湯たんぽ その2_a0148612_21313956.jpg


陶器の湯たんぽ? 聞き慣れないかもしれません。

ですが、室町時代に中国から日本に入って来た最初の「湯たんぽ」は陶器の湯たんぽでした。

大正時代から金属製が台頭しはじめ、戦時期には金属不足から再び陶器製が主流になりましたが、

戦後はまた金属が主流になり、最近では樹脂も多くなっております。

最近は、「湯たんぽ」という道具を知らない若者も少なくないことが授業でわかりました。



説明しますと、湯たんぽとは、中にお湯を入れて、寒い冬の布団の中を暖める道具です。

昨年は震災の影響で陶器の湯たんぽが飛ぶように売れたようです。

つまり、電気を使わないのですし、電気と比べ人肌に対して優しいので、エコなイメージがあります。



布団の中で人肌に直接あたる湯たんぽという道具ですが、できるだけその「あたり」を優しくしたい。

そういう思いでデザインを考えました。

金属製のものは湯温低下の内部減圧に耐えるためと、表面積を増やすために、

デコボコした形状になっています。形にはちゃんと理由があるのです。

しかし、陶器なら強度は十分ですので、そんな凹凸をつける必要はありません。

しかし、多くの陶器製湯たんぽも金属と同じ形をしています。これは不思議です。

そして、なぜか楕円ばかりの湯たんぽ。

正円があっても良いじゃないか。むしろ正円の方が心地よいのではないか?

そして、必ず飛び出ている蓋の出っ張りが邪魔なのでなんとかしてなくしたい。

布団の中でそんなに全体の高さは要らない。

そういう事を考えまして、このようなデザインに至ったわけです。

蓋も当初は陶器で考えておりましたが、陶器と陶器では、開ける際に黒板をひっかくような音がしますので、

不快に感じる人も多くいるかもしれないと思い、金属製の蓋で作ることになったのです。

そして、カバーには静電気を起こしにくいジャンバー等の裏地に使う、機能素材を使う予定です。

湯たんぽ その2_a0148612_2127288.jpg


形や素材の理由は、大体、「人を想う」というところからきております。



追記

こちらの湯たんぽは、その後製品化され、こちらで発売中です。
# by planettv | 2012-06-06 21:17 | product
明日から東京ビッグサイトで始まります、interiorlifestyleにおきまして、

セラミックジャパンより、yutanpo(湯たんぽ)を発表いたします。

湯たんぽ その1_a0148612_2113278.jpg


秋田先生にセラミックジャパンの大橋社長をご紹介頂いてから1年半が経ちました。

「ここに出来なければ他ではできない」と言われるほどに技術力が高く、

デザイナーからの信頼も厚いのが愛知県瀬戸市にあるセラミックジャパンであります。

秋田先生のdo・nabeもセラミックジャパンの製品です。



本当は1年前のこの展示会を目指してその半年前からやってはいたのですが、上手くいかず昨年はモックアップのみの展示となりました。

その後も試行錯誤を重ねまして、型修正を何度となく繰り返しました。

陶器は高温になると焼成軟化という現象が起きます。

最高温度で瞬間的に柔らかくなるのです。

このやや平たい形状は、その軟化に対して非常に弱い形状でもあるのです。

設計通りに作ると、凹んでしまう。

だから高めに作りなおすも、今度は垂れなさすぎて高い。

さらに、通常では脱型できない造形が含まれていること。

シンプルに見えていろいろ難しい事がありまして、そんな繰り返しで、ようやく発表できるものになったようです。

というのも、直前まで上手くいきませんで、私も最終サンプルはまだ見れてはおりません。

私は私で、湯たんぽのカバーをどうするかに奔走しており、

近くの縫製屋さんに無理を言って何度も作りなおしていただき、昨日ようやくカバーもできたようなところであります。


湯たんぽ その1_a0148612_2135978.jpg

↑これは、最初に描いたCGです。



つづく。
# by planettv | 2012-06-05 21:15 | product
三谷龍二@季の雲_a0148612_1627501.jpg


クラフトの話が続きます。

今日は、季の雲ギャラリーの三谷龍二展に行ってきました。

昨日は会期初日。

朝のオープン前から長蛇の列が出来て、午前中に大半のお盆が売り切れてしまったそうです。

売り切れた商品も会期が終わるまで置いてもらうそうですから、じっくり堪能できました。

誰もこういう世界でやっていない30年前からこの世界を提示し続けてきた三谷さんです。

2000年が潮目で受け入れられるようになってきたと語っておられました。

暮らしについて人々は考えはじめたのです。



6/10まであと一週間やってますから是非。
# by planettv | 2012-06-03 16:34 | life
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学生にも、松本クラフトフェアに行った気になってもらおうと、

買って来たものや、お借りしたもの、家にあるクラフターズアイテムを芝生の上に並べてみました。

私が作ったものはほとんどなく、買った商品。

日常で使っているものばかりです。



クラフトの作品の多くは使うほどに味わいを増していくものがほとんどです。

量産品の新品が最高とはまったく逆のベクトルです。

少々高くとも、長く使えるものを大事に使っていく。

そういう世の中に戻していかないといけません。

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学生にこれらのクラフトの生活道具の良さを説明してもわかってくれるとは思っていません。

自分でこの良さに気がつくには10年かかってしまいます。

でも、意識の片隅にでも入れておいてもらうだけでも、世界は変わると思います。
# by planettv | 2012-06-02 12:56 | design