黒色を使わない。
アクリル絵の具を使った色彩構成の課題を毎年だしたりしているのですが、
今年は有害性の問題で黒い絵の具を使わない方が良いということになりまして、
黒い絵の具は大学では使わないで課題をやってくださいという事にしました。
そうすると、どうでしょう。
色が良くなったのです。
黒っぽい色を生みだすには色々な色を混ぜないといけません。
カラスは最初は白だったが、欲張って色んな色を塗ってもらったから黒い色をしている。
なんて絵本で読んだ記憶があります。
しかし、カラスの羽を手に取ってみると、光の当たり方でいろんな色が浮かびます。
だから、あながち嘘でもないようです。
それはさておき、
そこに、黒があると、考えずに使ってしまう。
自分で何か新しい色を生みだそうなんて考えないのです。
昔は、スチレンボードなんてものもなかった頃は、ガラス板に石膏を流して、
石膏で薄い板を作ってからそれを切って建築模型を作っていたと恩師から聞きました。
それはきっと、スチレンボードで作られた模型とは発する力が全然違ったことでしょう。
時間にしたら10倍は模型に時間がかかったかもしれません。
しかし、便利になったゆえ、失ったものも大きいのです。
つまりは、エネルギーは保存されるということです。
エネルギーを使って作ったら、それは作品にきちんと表現されるということです。
エネルギーを込めましょう。