六甲枝垂れ
建築家 三分一博志氏の設計です。
六甲山に来たのは幼稚園以来ではないでしょうか。
これは何なのかと言いますと、自然体感展望台でありJIA KINKI U-40設計コンペで選ばれたものです。
三分一さんは自然の力を建築にうまく活かして設計をされており、
自然環境から導きだされるコンセプトは建築形態にいつも斬新な形を与えていきます。
元来、自然の持つ力を日本人は暮らしの中に最大限活かして建築工法を洗練させてきたわけですが、
戦後、それらの知恵を全て捨てて、電気に頼る暮らしにシフトしてしまいました。
自然の力を最大限使いながら、これからの建築のあり方を模索している数少ない建築家と言えるでしょう。
六甲山特有の自然現象である樹氷を固着させるために枝型で出来たドーム状の形状があります。
スロープの連続で内部と外部がつながっており、子供は大はしゃぎです。
内部の天窓は開いており、雨が落ちます。
同時に、内側の木の板は雨水を集める構造になっています。
水盤からは水が蒸発し、夏場の室温を下げます。
アプローチにあった池で氷を作って、氷室で保管し気温調整に役立てるそうです。
地球上で六甲山でしか見る事の出来ない「エナジースケープ」をつくり出す事が、六甲山への私の想いである。
三分一博志