落水荘を目指して。その3 完結編
なんだかんだあった翌日朝、ようやく落水荘 falling waterへ。
事前予約制です。
ミュージアムショップで番号を呼ばれるのを待ちます。
店内で流れている音楽や、商品、それらは周囲の環境と一体となって、
フランク・ロイド・ライトの思想を語りかけてくるようでした。
お土産にライトデザインのランチョンマットを購入。
番号を呼ばれて、ガイドさんについていきます。
きれいに手入れされた林を歩いていくと、見えてきたのが落水荘です。
落水荘は大学一年生の時に、一週間で図面のトレースをインキングまでやらされた課題。
床の石のタイリングなどとてもキツかった思い出の名建築であります。
山間の滝の上にあるわけですが、下の方から上がって行った先にあるのかとばかり思っていましたが、高い所から下がってアプローチするのが意外でした。
館内は写真撮影できない予約コースでした。
早朝のディープツアーでは普段見れないところを見れたり、内部写真撮影できたりするようです。
建物は天井が低かったり、全てが身近に感じられでアメリカにはない感覚だなぁと思いました。
手すりもすごく低く、壁も薄くて、今の建築からすればとても危なっかしく思えますが、
ライトは、技術者よりコンクリートを熟知していたという話です。
ライト自身が背が低かったためと言われますが、日本的な寸法感覚でとても身近に感じたのです。
「滝と共に暮らす」
人工物が自然の中にあり、お互い調和し合うというのは日本の建築に通じる感覚でした。
こちらが、有名なキューピーマヨネーズCMのアングル。これが見たかった。
歴史の浅いアメリカにあって、この建築がどれだけ大切にされているかがわかりました。
建築は宝なんだなぁと強く感じました。
敷地との関係や、建物の構成がよくわかる落水荘の素晴らしい3DCGはこちら(04:32)
その後、同じくフランクロイドライト設計のケンタック・ノブを訪ねました。
落水荘から車で20分ほど。
六角形を上手く組み合わせたプランはとても居心地が良くて、落水荘に行くならこっちも是非。
とにかく寒かった。NYとは全然気温が違いました。
その日にNYに帰り着かなければならず、14時すぎに出発し、21時に到着する為急ぎました。
帰りに寄ったレストラン。
ここのサラダバー最高やったね。
NY直前の高速道路の怖かった事。ほんま、よく運転した。往復1200km。
すさまじい豪雨の中の無事NYに21時前に。いつもギリギリ。
もう、二度と行けないと思いました。
その日からの宿はこの中国料理の上階の日本人オーナーのアパートメント。
ちょっと到着が遅れてオーナーさんに怒られました。
この中国料理店にはこの日から3日間お世話になりました。やっぱりアジア料理!
<完>
追記
エル・デコ日本版創刊20周年記念特別編集として、
『フランク・ロイド・ライトの本』がちょうど発売されています。
ご興味あれば。
日本でもいくつかライトの建築があり、中でも芦屋のヨドコウ迎賓館が好きですね。
ライトは、“オーガニック建築”を提唱し、実践した建築家。帝国ホテル旧本館をはじめ、日本との関わりも深い。なぜ今ライトなのか、年代を追って紐解いていくほか、アメリカに今なお残る16軒の住宅を美しいビジュアルで紹介。日本に残された貴重な建築4軒をすべて取材敢行するという快挙も成し遂げた。
http://www.elle.co.jp/decor