INCLINE モデリング
昨年まで毎年、多摩美でも教鞭を取っておられる春日亀美智雄先生にお越しいただいてモデル制作の実践的レクチャーをしていただいていました。
春日亀意匠 http://www.kasugame.com/
私の担当する他の演習でも活用するので、毎年の春日亀先生のこの講義をかなりあてにしていたのです。
しかし、今年はお忙しいという事でお越しいただけず、代わりに私がやることになりました。もちろん、先生には遠く及びませんが。
このために、東京からわざわざあれだけの機材を用意して来ていただけるなんて学生は幸せすぎです。
やってみて、春日亀先生の準備の大変さを思い知りました。
そして私は何を教えようかと、作りやすく、そして美しいもので何か題材はないかと探していました。
そこで思いつきました。
先日ワークショップでお越し頂いて、学生も印象に残っている秋田先生のソファ「INCLINE」です。
これは、1/5のモデルなのですが、スタイロフォームをヒートカッターで削り出すのみで作っています。
(最後にアクリルガッシュで塗装をしてあります)
厚紙で型を作って、それを両面テープでスタイロに貼って、手持ちヒートカッターで削るのは、春日亀先生直伝の技です。
プロダクトデザイン独学の私は、初めて見た時はこんな事ができるんだととても驚きました。
そして、モデルを作っていると、デザイナーのいろいろな思考の跡が見えてきます。
身体に当たる所は柔らかく、そうでない所はシャープになっているんだな。とか。
荷重がかかる所は、少し太くなっていたり。そうでない所はシャープに見せるための工夫が見えたりします。
デザイナーの実際の作品をコピーして作るというのは、とても良い勉強になるということです。
実際のINCLINEの写真 AIDEC INCLINEのPDFカタログはこちら。