梅原真 足元にある宝物へのまなざし
梅原真先生が講演に来られました。
あまり、ご存知ない方もおられるかと思います。
梅原先生は高知のデザイナーで、地方の疲弊している一次産業を
次々とデザインの力でよみがえらせているすごい先生であります。
最初の商品は 「一本釣りの藁で焼いたカツオ」だったのですが、
一本釣りは効率が悪く、外国の船が巻網で一網打尽にするのに対抗できず、
魚の値段も漁師が決める事ができず、明神丸は潰れそうになっていたそうです。
それを、藁で焼いたカツオ二本と、たれ二個、高知のニンニク丸ごと、ショウガ丸ごとをセットにし、
「漁師が釣って漁師が焼いた」とコピーを考え、真っ赤なパッケージもデザインして、
5500円で売った。
これが、8年で20億を売り上げる商品になった。
最初は、焼く場所もないから軒先でカツオを焼いていたのが、
工場を立ち上げ、水産会社を設立と大躍進を遂げたそうです。
そんな梅原先生が手掛けたデザインです。
土佐はるかのパッケージは、納品完了後、クライアントの間城さんが財布を手に、
「デザイン料いくらでしょう?」と言われ、
その厚みをみて、史上最低の料金で言ってしまったとか(笑)
しまんと緑茶の解説でも、
「じつは、茶〜どころ〜、しまんと緑茶♪」(本人唄ってます)
など、すぐに覚えられるフレーズを考え、
次の瞬間には「ほら、覚えたでしょ?」と、
確かに四日たった今でも、覚えているわけです。
「漁師が釣って、漁師が焼いた。」とか、
「伊勢、手掘り あさり プリ プリ」とか、
「ゆずでもない、すだちでもない、とんでもない!」とか、
覚えやすく、リズム感のよいキャッチコピーを考案するのがとてもお上手なのです。
そして、モダンなデザインではなく、商品が美味しそうに見えるパッケージデザインが多いです。
梅原先生いわく、デザインはコミュニケーションだと。
昔は、伊藤園の煎茶という名前であったが、「お〜いお茶」と改名して売り上げ60倍。
抗菌防臭靴下「フレッシュライフ」も、「通勤快足」に変えて大成功。
NTTの「シルバーホン」も、「らくらくホン」と変えて大成功。
コミュニーケーションをするとはこういう事。
面白かったコミュニケーションの話。
昔、東京(?)でこんな宝くじやが路上にあって、
右下の足が梅原さん。
「黙って買う、祈る、当たる」と書かれ、
そのホッかむりを被ったおばちゃんや、その店全体の雰囲気にコミュニケートされ、
ついつい、買ってしまった! らしいです(笑)
買いたくなるデザインてこういうものなのかもしれないですね。
梅原先生は、大手企業の依頼は全て断り、
高知の事しかせん!と言い張ってやって来られたそうです。
それが、今や、ケニア、ハワイなど諸外国から相談に来るほど。
現在、TVも追っているらしいので、そのうち何かで放送されると思います。
田舎ではなんも仕事もないし、なんもできん。なんてみんな言ってるんですが、
なんでも「あるよね」と考えるといくらでもあるよね!
なんでもポジティブに考えるだけで世界は変わっていきます。